輝きに満ちた世界で
「改めて見ればさよっちと小町はそっくりだし、紫に似てる。
名前も納得。
結論は一つ、さよっちと小町は同一人物。」
“そうでしょう?”と言うようにこっちを見た。
私は下唇を強く噛む。
「…そう。小町は私。私の姉ちゃんは紫。
最初はただのハプニングだった。
ドタキャンしたモデルの代役をして、それが始まり。
それから押し流されるようにデビューして、ここまで来た。」
私は屋上の柵にもたれかかる。
「なんでデビューした後も前髪とかそのままなの?」
「物心ついた時には私と姉ちゃん違ってた。
姉ちゃんはキラキラしてて、私は暗い子供だった。
姉ちゃんが光だとすると私は影。
雰囲気は違うくせに顔は似てるから。
私と姉ちゃんな姉妹なのは勘づかれる。
姉ちゃんがデビューして、こんな私が妹だもわかったら、邪魔しかねないって思って隠すようになった。
デビューしても陰気な私を知っているみんなの前で素顔を晒すなんて無理だった。」