輝きに満ちた世界で


姫華が辛そうな顔をする。



「姫華にだけは伝えようと思った。

でも言えなかった。姫華は他より私を知ってるから。



姉ちゃんがモデルの紫だとわかれば、姉ちゃんと比べて私を嫌いになるかもしれないと思ったら怖くて言えなかった。」



「さよっち、別にさよっちの家族が誰でも嫌いにならないし、比べることもない。



だって私が見てるのは目の前のさよっちなんだから。

さよっちの姉ちゃんが誰であろうとさよっちはさよっちで、私の大切な親友なんだよ?」



優しく語りかける姫華の言葉に涙が溢れてきた。



ずっと言われてきたのは

“英の姉ちゃんって綺麗なんだよ、英と違って。”

同級生からそんな風に言われた。



親戚から

“紫月ちゃんと小夜ちゃんって全然ちがうわね。”

なんて言われた。
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