輝きに満ちた世界で


クラスの空気が急にシンとした。



「結城…玲於。」



誰かが呟いた言葉。

私はピクっと反応して前を見た。



「結城…」



私は前に立つ男の名字を呟いた。



しばらくするとクラス全体が騒ぎ始めた。



私はそれをよそに男から目を離した。

時間が空いても騒ぎが収まらずに私はイライラしはじめた。



「早くしてくんない?」



自分でも驚くぐらい低い声が出た。



さっきまでの騒ぎが嘘のようにシンとして私の方に視線を感じた。

私はそんなことは無視して先生の目を見た。



「あ、転入生の結城玲於君だ。」



転入生の紹介をする先生の話を聞かずにただ結城玲於という男の目を見る。



一瞬目が合ったかと思うと少し鼻で笑われた気がした。
私はその目を軽く睨んだ。



それでも変わらずその男はその顔に貼り付けた笑みを崩さなかった。

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