輝きに満ちた世界で
躓いたのはその後。
佐々木さんからメイクの方法は聞いてはいたが、いざやってみるとなるとどうも難しい。
下地などはまだよかったのだが、アイメイクがどうにも出来ないのだ。
アイラインがどうしてもブレそうになり、苦戦していると姉ちゃんが私の手からアイライナーを奪い取った。
「あぁ、こうなると思ってた。
やっぱり日頃からメイク教えこませとけばよかったわ。」
そう言って私の使っていたアイシャドウで塗り直し、手早くアイラインを引く。
ビューラーでまつ毛を上げて1発でマスカラを塗る。
ブラシを取り出してチークとノーズシャドウ、ハイライトまで仕上げる。
あまりの手早さに私は思わず目を見張る。
下手したらそこらのメイクさんより早いかもしれない。