輝きに満ちた世界で
「紫月ちゃん、後ろの髪巻いてくれる?」
「はーい。
縦巻きでいいです?」
姉ちゃんは星羅さんのボブの髪をコテで巻く。
これもまた随分と手際がいい。
私は髪をリボンを一緒に編み込みながら三つ編みにする。
鏡を見ながら少しずつ指で崩していく。
私服から衣装に着替えて鏡の前に立つ。
パッと見のバランスを重視してスカートを少し上めにしてみた。
「よし、」
「終わったんだったら退く退く。」
私が小さく呟くと姉ちゃんが私を押し退けて鏡を見る。
よく見ると全身鏡は1つだけだけれど鏡台は3つある。
きっと男子の方にも同じだけあるだろうから、この学校には6つの鏡台があることになる。
「なんで、そんなにあんのよ。」
私は誰にも聞こえない声量で呟いた。