輝きに満ちた世界で


「で、まあ決める方法なんだけどこれを賭けてやるのがこちらですね。」



SEIRAさんのMCの合図で姉ちゃんが台を引いてくる。



「何これ...」



思わず私が呟いた言葉がマイクに拾われ、笑い声が起きる。



「どっからどう見てもダーツでしょ。」



私の隣にいた結城が憐れむように私を見る。



「小町、苦手だよね。カラオケ行った時、ついでにやったらボロボロだったもんな。」



それは球技大会のクラスの打ち上げでの話。



「あれ、玲於君知ってた?
この子、昔っから出来ないんだよ。」



私の顔半分が青くなる。

絶対に勝てない、しかも結城はむっちゃ強い。



どれだけあとまで言われたことか。

“あんなに下手な奴初めて見た。”

もう聞き飽きた言葉。



「では、EAGLEモデル6名による“私のやりたいこと”実現を賭けたダーツ大会を始めます...」



割り振られたMCをボソボソと言う私の声にまた笑いが起きた。

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