輝きに満ちた世界で
「ほんっとにやりたくない。」
私は矢を三本持ちながら呟く。
私がどれだけ下手か知ってるからってそんなに笑顔で見ないでよ、
私は心の中で姉ちゃんと結城の悪態をつきながら所定の位置に立った。
もう、あとは野となれ山となれ。
私は大して集中することなく矢を放つ。
「12。」
結果は散々。
2本は外れ、残りの1本はダーツ盤の右端に奇跡的に刺さった。
「本当にこの類いのゲームは嫌いなの!」
「まあ、小町ちゃんのダーツの下手さ加減が証明されたと同時に私たちのファンミーティング開催が決定しました!」
SEIRAさんの楽しそうな声と同時に今日1番の歓声があがる。
私はマイク部分を手で押さえて結城に話しかけた。
「あんた、私がファンミが嫌なのわかってアンケートに書いたでしょ?」
返事は返ってこなかったが拍手する結城の顔が僅かに笑ったのを私は見逃さなかった。