輝きに満ちた世界で


「姫華〜」



朝礼が終わってすぐに教室の反対側にいる姫華のもとに急いだ。



「どうしたの?」



「アイツ嫌い。」



膝立ちして姫華の机に倒れた。



「結城君?あの人のこと知らない?」



私のことを驚いて見る姫華と当然のように頷く私。



「あの人モデルだよ。

ほらあの今月のMake Youに出てた!」



私は少し目を見開いた。
言われてみれば今朝見た雑誌に載っていた気がする。

既視感はこれが原因だったのか。



「なんか凄いよね!

普段雑誌で見てる人が傍にいるなんて、実感無い。」



「はは、そうだね。」



私は適当に誤魔化した。



普段からそばにトップモデルである紫がいるなんて口が裂けても言えない。



私は体を起こして窓際で女子に囲まれている結城玲於を見た。



アイツは要注意人物だ。
私と姉ちゃんの関係に気付くかもしれない。

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