輝きに満ちた世界で
そして、1番恐ろしいのはこの後。
拡散力は凄くて後夜祭が終わる頃には“英小夜=小町”という方程式は全校に広まっていて、私の憂鬱さ加減と言ったら計り知れない。
さらにこの沈んだ気持ちを加速させたのは結城だった。
「あーあ、ここまで頑張ってたのに可哀想にね。」
と小さな声で話しかけていた。
私たちの教室の周りには私の噂を聞きつけた見物人で溢れていた。
これまでハブられてきたような存在だった私に仲良さげに話しかけてくる女子たち。
今まで“ダサい奴”として見てきた私をチラチラと見てくる男子たち。
そりゃあ、今まで学年首席を独占し続けてきたウザい奴が実は人気モデルだったとわかれば見る目は変わるだろう。
でも、いくらなんでもこの差は酷いと思う。
「あー、これで1人で囲まれる自体はなくなる。」
「私、信じることが何かわからなくなる。」
私はポツリと呟いた言葉に結城が目を見開いた。