輝きに満ちた世界で
今日は待ってもいない初めてのファンミーティングの日。
朝から結城の嫌という程の笑顔を見させれられた。
「はぁ。」
今日何度目かもわからないため息をついた。
「どうしたの?
ため息ついたら幸せ逃げるよ?」
もはや私の専属なんじゃないかと疑うほど私についてくれているメイクの佐々木さん。
「はっきり言って今日のファンミ、私は嫌なんですよ。」
私はため息の代わりにそう吐き出した。
「え、なんでよ〜?」
「前に私のファンだっていう女子高生に会ったんですけど、どうしても慣れなくて...」
私はそう言って頬を指で掻く。
「でもね、小夜ちゃん?
あなたはあの人たちがいて成り立ってる。
ファンのみんなはあなたのことを大切に、愛しく思ってるの。
モデルの小町はあなたとファンの人たちがいないと成立しないの。」