輝きに満ちた世界で
「英小夜という1人の人としてファンの人のことをどう思おうと自由だけど小町としてはあなたはあの人たちを疎かにしてはいけない。
今日、みんなを見てなにかわかるといいわ。」
私はそう言われて返す言葉がなかった。
小町としての私。
正直いってまだ掴めていない。私はまだ何もわかってない。
確かに私はデビューして日が浅い。
でもそれを言い訳にしてはいけないし、したくない。
わかってる。
ファンを大切にしなきゃ行けないことぐらい。
私はペットボトルの水を煽り飲み、楽屋の端にあるゴミ箱に投げ入れた。
「いってきます。」
私は佐々木さんにそう言って楽屋を出た。
この地域最大の“箱”のこの場所にはこの前の文化祭の時のメンバーのファンが集う。
ボードを挟んでもうそこは私たちを待っている人たちがいる。