輝きに満ちた世界で
始業式の後、終礼を終えた。
「英さん。」
私は呼ばれて振り向いた。
そこには担任と相変わらずニコニコしている結城がいた。
「英さん、結城君に学校案内してくれないか?」
「は?」
私は思わず口走る。
「本当は僕が案内できればいいんだけど。
僕、会議があるから出来ないんだよ…
だから首席の君にって思ったんだ。
隣の席のよしみと思って受けてくれないか?」
断ろうかと思ったが“首席”という単語が出てきて私は息をつめた。
「わかり…ました。」
「じゃあ英さん、よろしく。」
私は先生の言葉に頷いた。
「結城君、ちょっと待ってて。」
私はそう言ってその場を離れた。
教室に入って姫華を探したがいない。
私は諦めて姫華の机にメモを残した。
それから廊下に出た。
「お待たせ、案内します。」
私は重たい足を進めた。