輝きに満ちた世界で


遠くで人の話し声が聞こえて目が覚めた。
目を開くと心配そうな姉ちゃんの顔。



「小夜ちゃん!?」



悲壮感に溢れたその声...



「デジャヴュ...」



思わず出た言葉はこれだった。
奏たちにイジメられて倒れた時を思い出す。



でもあの時とは違う。



私はもう負けないし、ファンという大切な仲間を見つけた。



それに大事な感情を知ることができた。



少しの右脚が痛む。

最悪なクリスマスイヴの幕開けだ。



私はゆっくりと体を起こした。



「今、何時?」



「1時。」



その言葉に私は少しため息をついた。

開演の6時には間に合いそうだ。



「姉ちゃん、私のバッグの中にテーピングとハサミあるから取って。」



私は姉ちゃんに渡してもらったテーピングを自分で巻いた。

< 176 / 252 >

この作品をシェア

pagetop