輝きに満ちた世界で
遠くで人の話し声が聞こえて目が覚めた。
目を開くと心配そうな姉ちゃんの顔。
「小夜ちゃん!?」
悲壮感に溢れたその声...
「デジャヴュ...」
思わず出た言葉はこれだった。
奏たちにイジメられて倒れた時を思い出す。
でもあの時とは違う。
私はもう負けないし、ファンという大切な仲間を見つけた。
それに大事な感情を知ることができた。
少しの右脚が痛む。
最悪なクリスマスイヴの幕開けだ。
私はゆっくりと体を起こした。
「今、何時?」
「1時。」
その言葉に私は少しため息をついた。
開演の6時には間に合いそうだ。
「姉ちゃん、私のバッグの中にテーピングとハサミあるから取って。」
私は姉ちゃんに渡してもらったテーピングを自分で巻いた。