輝きに満ちた世界で
あれから数日後の休日の朝、私は隣の部屋の物音で目を覚ました。
隣の部屋からは1人の話し声が聞こえる。
姉ちゃんが電話で話していると考えるのが妥当だろう。
目を擦りながら体を起こし、パジャマのままで姉ちゃんの部屋のドアの前に座った。
「はぁ」
やがて大きなため息とともに姉ちゃんが部屋から出てきた。
「どうしたの?」
「え、あ、小夜ちゃんか。いや…」
私に驚いた顔をする姉ちゃん。
手に持っていたスマホをポケットに入れる。
「で、どうしたの。朝から辛気臭い顔して。」
私は言葉を濁した姉ちゃんを無視して聞き直した。
「それ聞いちゃう?」
「うん聞いちゃう。」
私の容赦ない質問に姉ちゃんは諦めたように少し笑った。
「ご飯食べたら話すよ。
ちょっと面倒な話だし。」
「そ。」
私はそれだけ言って階段を降りる。
姉ちゃんも小さくため息をついてから着いてきた。