輝きに満ちた世界で


さっきまで感じていた右足の痛みも違和感も、気にならない。



ただふわふわと感じたことのない不思議な感覚に陥っていた。



ザワザワしていたバックヤードだったが、少しずつ人が疎らになっていく。



それでも結城は動かずにいた。



バックヤードに残されたのはEAGLEの4人と私たちだけ。



「ねえ、結城。」



振り向いた結城に私は呟いた。



「あんたは何を思ってるの?



何を見てるの?



...あなたは何者なの?」



私の声が6人しかいないバックヤードに虚しく響いた。



結城は私の目を見たまま何も語らない。




12月24日、クリスマス・イブ。
寒く冷たい空の下、沈黙が続いた。

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