輝きに満ちた世界で
「警察は犯人たちが暗い公園にいた玲奈を拐って暴行を加え亡くなったそうだ。
きっと待ってたんだよ、あんたを。
でも英は来なかった。」
覚えてる、あの初めて“約束”した日、帰るとお母さんが血相を変えていたのを。
何も言わずに目にいっぱいの涙を貯めながら私と姉ちゃんの手首を引いて車に乗せた。
そのままおじいちゃんの住む青森まで向かった。
「なんで...れーちゃんはあの日だけ“約束”なんてしたの...?
私なんか待たなくてよかったのに。」
「お別れの挨拶をするため。」
私は俯いた顔をパッと上げた。
「あの次の日、俺たちは引っ越す予定だった。
玲奈がいなくなって引越しは1週間ズレたけど。
玲奈が死ぬ時まで、見つかる時までずっと手紙を握っていたんだ。」