輝きに満ちた世界で
紅茶を飲み終わり、私は部屋に戻った。
前に姉ちゃんと買い物に行った時に買った服を着て髪をとかす。
目が半分隠れるほどの前髪を普段とは違いアップにしてピンで止めた。
私は一瞬メガネに手を伸ばしたが、それはやめた。
最低限の荷物をポーチに入れて部屋を出た。
「休日の女子高生がノーメイクとはお強いね。」
「そもそもメイク道具とか揃えてないから。」
私はそう言って姉ちゃんの肩に手をついた。
「昨日、朝早いって言ってたじゃん。
もう行かなきゃなんじゃない?」
「あ、そうだね。
じゃあ行くか〜」
呑気な姉ちゃんを見てると私が急いだ理由がない気がしてくる。
「もうちょい急いだらどうなの。」
玄関でのんびりと靴を履く姉ちゃんの背中を軽く蹴飛ばした。