輝きに満ちた世界で

「あれ、じゃあ紫ちゃんは？」



「紫の月って書いて紫月、英紫月。」



２人は案外私たちの本名を知らないようで不思議そうに頷いていた。



そんな話をしていると１台の乗用車が入ってきた。



「うちの兄ちゃんの車。
乗っちゃっていいよ。」



陸さんが言うと車から１人の男性が出てきた。



陸さんによく似ていて笑顔の似合う爽やかな好青年、という感じだった。



「似てるね...」



私は姉ちゃんにそう囁いた。



返事は返ってこず、見上げると目を見開いた姉ちゃんがいた。



私はその姿を見て思わず瞬きをする。



くいっと服を引っ張られ、私はその方向を向くとそこには楽しそうに笑う星羅さんがいた。



「新たな恋の始まりかな？」



私はその言葉に頷いて姉ちゃんから離れた。