輝きに満ちた世界で
「玲於、小町。」
私は社長の声を聞いて私は顔を上げる。
私の呼び方が“小町”。
あくまで仕事関係の話だ。
3分の1ほどしか残っていないビールのジョッキを社長が置いた音を聞いて私はごくりと口に残ったもんじゃを呑み込む。
まだ熱かったもんじゃが私の喉を焼く。
「その指ってことは、本気ってことでいいわよね。」
社長は私の左手を顎で指す。
左手の薬指にはキラキラと輝くダイヤの指輪。
「もちろんです、もう誤魔化しませんから。」
玲於の言葉に私は強く頷いた。
もしまた、秋コレの時のようにスクープされたら。
私達は素直に認めるだろう。
きっと、あの時のは嘘だったんだ。
そう言われるだろう。
それを悪く思う人もいるだろう。
きっと私たちの人気も落ちるだろう。
それでも玲於とならまた同じ場所に、それよりも上に行ける自信がある。
もう、誤魔化さない。