輝きに満ちた世界で
私はスタジオの端の小さな椅子に座っていた。
お役御免となった私は監督さんに撮影の見学を勧められて、今ここにいる。
姉ちゃんの仕事を見たかったので見せてもらうことにした。
私の横に立っている見るからに若手のアシスタント2人の会話が聞こえてきた。
「凄いね、紫さん。
3号連続で載るんだよ。
普通じゃありえないよ。」
「でも紫さんが載ると載らないとじゃだいぶ違うじゃない。」
そんな2人の会話に思わず笑みが零れる。
「紫さんはいりまーす」
そんな声とともに普段とは違って少し派手なメイクや服装をした姉ちゃんが入ってきた。
カメラの前に立った姉ちゃんは急にガラリと人柄が変わったようにカッコよくなった。
あのマイペースで呑気で常識知らずでどこか腑抜けた姉ちゃんのイメージを払拭されたきがした。