輝きに満ちた世界で
のぼりかけの朝日に目を細めながら私は雑誌を閉じた。
「姉ちゃん、今何時?」
「姉ちゃんじゃないでしょ。もっと女の子らしい呼び方してよ。
いっつも言ってるじゃん、しーちゃんとか。」
私は不服そうな自称しーちゃんに雑誌を手渡した。
「で、何時?」
「6時半。」
私は頷いてベッドから立ち上がった。
制服のスカートのシワを軽く伸ばして机の元に向かう。
机の上に置かれたメガネを胸ポケットに入れた。
「まだそんな可愛くないの使ってるの?」
「いいの、私はあなたと違って可愛くないんで。」
このメガネ、実は伊達メガネなんだ。
しーちゃんこと姉ちゃんがモデルを始めた1年と少し前、私が高校入った頃からつけている。