輝きに満ちた世界で
やがて溢れ出てきた感情は、悲しみや怒りではなかった。
終わりのない暗闇に叩き込まれた気分だった。
入学した当初は首席であろうなんて、思ってみなかった。
それでも何度も首位を守り抜いているうちに首位にいることを誇りに思うようになった。
勉強でなら、誰かと差をつけられる。
そう思えば思うほど、そのプライドは麻薬のようになり、私は首席の位置を死ぬ気で守り続けていた。
だから、こんな絶望を味わっているんだ。
「さよっち、大丈夫!?」
私は姫華の言葉に首を振った。
「あ、あんま気にしない方がいいよ!
だ、だって3点差だよ?」
そう、3点差。
でもその3点だけで私の後悔はここまで募る。
たかが3点。されど3点。
私は絶望の色を顔に出さないようにしながら歩き出す。