輝きに満ちた世界で


割と暗い背景の続く中、突然写真の色が明るくなった。



白い背景に写る画は私と結城の姿だった。

あのふわふわな部屋着の私と黒いパジャマをきた結城が2人並んでソファに座っている。



ページをめくりつづける。



「写真だけ見てると仲良しカップルに見えるよね。」



そんなことを結城が言う。

手元の写真は結城と顔を手ではさまれて赤くなっている私。



「ほざけやがって。

仲良しカップルなんかになってたまるか。」



私は結城に聞こえるかどうかの大きさの声で言った。



「ん?」



返ってきた言葉に私は返答はせず、そっぽをむいた。



「デビューか...」



私は結城から伝えられた監督の言葉を呟いた。



メイクの時、佐々木さんに監督の奥さんが経営している事務所が結城や姉ちゃんの所属している話を聞いた。

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