輝きに満ちた世界で


「やっぱ、バラしちゃおっかな〜」



結城が楽しそうに笑うのを見るとどうしても本気で言っているように聞こえてしまう。



「わかった!わかったから!

お願いだからばらさないで!」



「言ったね、二言はないね?」



私がムキになって言った言葉に結城はさらに笑った。



「なっ...!」



「まあ、スカウトって形でデビューはすぐ決まるだろうね。」



そう言ってケータイを使い始める。



「事務所の社長に言っといた。
紫さんの妹さんがデビューの意志を固めたみたいですって。



おかげで社長と監督に恩売れたし、俺にとってはいいとこしかない。



まあ頑張りなよ、
俺より3点低い英小夜ちゃん?」



その言葉を聞いた時、久々に人への殺意が湧いた。
そして期末試験では絶対に首位奪還することを心に決めた。

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