輝きに満ちた世界で
その日、家に帰ると普段はソファに寝っ転がっている姉ちゃんがダイニングで座っていた。
「聞いたよ、小夜ちゃん。
デビュー、するつもりなんでしょう?」
発せられた姉ちゃんの声はいつもの何倍も真剣だった。
結城に脅されてデビューを決めた。
でもデビューしてみたいって気持ちがあるから、あれ以上は言わなかった。
結局は私の意志だ。
曲げることはしない。
「わかってる?相当な覚悟が必要だよ?
楽しいけど、ツラいこともたくさんある。
笑ってばっかりじゃいられない、
それでもやる?」
「ええ、私はやるわ。
私だってそんなヤワじゃない。
覚悟ぐらい出来てる。」
私は姉ちゃんの目を見て言った。
「それなら私は応援するわよ。
頑張ってね、小夜ちゃん?」
姉ちゃんは私を試してた。
モデルになる覚悟があるかどうかを。