輝きに満ちた世界で
「あとは芸名ですね。」

藤峰社長がそう呟いた。

「あ、それならいいの思いつきました。」

「「「え?」」」

誕生日席に座っていた姉ちゃんが口を開いた。

「小町。
小野小町の小町。」

小野小町で思い出したのは

花の色はうつりにけりないたづらに
わが身世にふるながめせしまに

小野小町は平安時代の六歌仙。
世界三大美女に数えられた絶世の美女...

「小野小町ってすっごく綺麗で優秀な歌人さんだったんでしょう?

それになんだっけ?百夜通い?

夜って着いてるし小夜にぴったりかと思ったんだけど。」

小町...

私は口の中でそう呟いてみた。
はっきり言って嫌いじゃない。

私は置いてあったペンを取った。

芸名
小町

そう書いてペンをまた置いた。
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