輝きに満ちた世界で
学校に行ってもその話題で、結城との写真も流れたものだから結城はクラスメートに囲まれていた。
「ねえ、あの子何者なの!?」
とか
「本物はどんな感じだった!?」
とか、ハッキリ言って下らない内容だった。
結城も同じように思ったのか、適当に笑って返していた。
「でさ、今日発表されるわけ?」
「うん、そう。」
朝礼中、小さな声で会話していた。
「それでさ、デビューしたらその見た目も変えるだろ?
変えてくれた方が俺的には助かるんだけど。
囲まれるのも2人になるし。」
「残念ながらその予定はありません。
私は変わらず英小夜としてこのままいます。」
私はそう言って結城から顔を背けた。
「いつか、バレるんじゃない?」
「それは阻止する。」
私は結城の言葉にため息をついた。
「頑張ってね、未来の人気モデルさん?」
結城のどこか楽しげな声が梅雨入り前の空に溶けていった。