輝きに満ちた世界で


最初は二人ともその場で表情を変えたりしていたが、突然奏さんが私の腰に手を回した。



私も少し考え、奏さんの首の高さに腕を回して後ろから手を頭に回し、抱き寄せた。



「いいよ〜、仲良しに見える!」



2人での撮影は結城と一緒の時以来で、少し不慣れなところがある。

それでも奏さんに必死に食らいついて行く。



「はい、おっけー。次、個人でね。
奏ちゃんから。」



私はその言葉を聞いて少し離れたところで見ていた。



私はこの読者モデルの奏を知ってる。



Make Youで“愛したいモデル1位”として載っていた。

姫華曰く、結構人気らしい。



パシャパシャとなるシャッターに顔を上げると奏さんがコロコロと表情を変えながら撮られているのを見た。



どれも凄く愛らしくて私にはない表情。
これが“愛したい”女子なんだ。

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