輝きに満ちた世界で


だけど、ある時から奏の様子が一変した。



撮影の時は今まで通りなのに控え室での態度が違うんだ。



今まで私を見かけると



「小町ちゃん〜」



って明るく抱きついてくるのに、今日は私が声をかけても何も言わずにそっぽを向いた。



結局一言も交わさずに、帰りがけによっていたカフェにも行かないで家に帰った。



ただその日、体調が悪いだけかと思っていたのに次の日になってもその後の日も変わらなかった。



私は嫌われてしまったのかと1つため息をつく。きっとこれは踏み台にしようとした罰だ。



私は自分にそう言い聞かせながらも、考えないように撮影に打ち込んでいた。



それでもどこか気がかりでいつもよりため息が多いことには自分でも気付いていた。

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