輝きに満ちた世界で
食事を済ませ、学校へと向かう。
自転車を走らせ20分ほど。
私の通う高校が見える。
志望校に落ちた私は家に近いからという理由で選んだ高校に通っている。
偏差値は高いとは言えないが決してバカばかりという訳でもない。
仲のいい友達とも会えたし、進学したことに後悔してない。
いつもの通りに駐輪場に自転車を停めて昇降口には人集り、クラス発表だ。
人と人の間をすり抜けて表を見る。
「あっ…た…」
自分の名前をようやく見つけた時、後ろから何かが被さる感覚を覚えた。
「さよっち今年も一緒だね!」
この声は友達の相田姫華。
見た目も中身もふんわりとしていて可愛らしい姫華という名前に恥じない女の子。
姫華と同じクラスでどこか安心してる自分がいた。
「さよっち!“アレ”見に行こう?」
そう言いながら先を急ぐ姫華。
「ゆっくりでいいでしょ。
急がなくたって逃げないから。」