輝きに満ちた世界で
姉ちゃんが今、目標としてたコレクションに一緒に出れるなんて信じられなかった。
「ありがとうございます!」
『最近、仕事も順調だったしね〜』
祐子さんののんびりした言葉が帰ってきた。
『これから忙しくなるわね。』
「頑張ります!」
それから少し世間話をしてから電話を切った。
思わずため息をついてしまう。
嬉しい、それだけだった。
引き出しの中、ぴらりと1枚だけ入れられた去年のチラシ。
「私が…歩く…」
私はそう言って再び引き出しをしまう。
「私は…頂点を目指すんだ。」
窓から夏の暖かい風が吹き込んできた。
それからの仕事では関わるスタッフさんがみんな口を揃えて、おめでとうと言う。
その言葉を聞いて少しずつ実感が湧いてきていた。