恋は甘い蜜の味



「わぁ、美味しそー!」


テーブルに並べられた料理を見て思わず声を上げてしまう私。


「春乃はいつもそればっかりだな」


そんな私を見てクスクス笑いながら呟くリヒトさん。


だ、だって!

本当に本当に美味しそうなんだもんっ!


カルボナーラに半熟オムライス、サラダにスープに苺のタルト。

これぜーんぶ、リヒトさんが作ったんだよ!

あ。リヒトさんっていうのはね?JEWELの専属料理人さんでお父さんがイタリア人、お母さんが日本人のハーフなの。

年は37歳だっていうのに、凄く綺麗な人で…あ。ちなみに結婚してて、5才になる男の子がいるの。


リヒトさんの奥さん、いつもこんな美味しそうな料理食べられて幸せだろうな……


「おい?顔、ニヤケてんぞ?」


すっかり妄想の世界に入り込んでいた私を呼び戻すかのようにかけられた声。

ハッとしながら隣を見るとJEWELのウェイター、渋谷凛の顔があった。


「にっ、にやけてません!」



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