恋は甘い蜜の味
「えー…っと、…誰?」
玄関を開けると目の前に立ってたのは、身長178cmくらいの男の人。
首筋にかかるくらいの長さの黒髪に、長い睫毛、そして妙に目力がある『イケメン君』……。
てか…本当に、この人誰…?
「あ、…お姉ちゃん?もー遅かったじゃん!秀さんに早く帰ってきてって伝言してたのにー」
イケメンさんに見惚れちゃってて、ピクリとも動かない私の耳に入ってきたのは、聞き慣れた妹、静乃の優しい音色で。
「…へ?あ、あーごめん!で、あの、静乃?…この人……」
「もー。え?…あ、仁だよ?伊藤仁。同じクラスのクラスメート」
クラス、メート…?
「……あ」
なんだ、クラスメートさんか。
びっくりしちゃった……
だって、なんか妙に大人っぽかったんだもん!
「お姉ちゃん?…あ。ほら、仁も早く上がってったら!」
今日お母さんいないし♪、なんて上機嫌な静乃を見て思わず息を吐いた。
そういえば確かお母さん、今日は当直か。
……じゃなくて!!