さよならまた明日
もうかりんは涙が止まらなかった。
本当の親ではないこと、おばぁちゃんが小さいころから自分をよくみてくれていること、高校入ってからおじいちゃんが心筋梗塞で亡くなり、葬式のときに我慢できずかりんが誰よりも大きな声で泣いたこと、高校卒業してから社会に出て一人暮らしもはじめて、なかなか会えないから寂しいこと、色々書いていた。
手紙の最後に今日はきてくれてありがとう、また明日ねまたよかったらきてねと書いていた。
どんなときでも真剣にかりんと向き合ってくれたおばぁちゃんが死んだ。
反抗期のときも、すごい言葉でおばぁちゃんに当たっていた。
人生に悩んだときもおばぁちゃんなら悩み事や愚痴も話せた。
ただただ悲しかった。
泣いて泣いて止まらなかった。 
時計は午前10時半になったばかりだった。 
窓の外は風ひとつもない、雑草もゆれてない、しかしよく晴れていた。
雲ひとつもない、晴天。
もうおばぁちゃんがいなかったらかりんの心のささえがない。
かりんの平凡な明日は来ない。
遠くのほうから救急車のサイレンが聞こえる。
両親もそのうちつくだろう。
大好きだったのに。 
自分の明日はもうこない。
また明日は必ずくるけどヒサエがいる明日はない。
今日で心の支えとさようなら。
かりんは、台所から包丁をとりだした。 
悲しくて涙で視界がよくみえなかった。 
両親に、いままで育ててくれてありがとう。さようなら。とだけラインし、かりんは、携帯をなげた。
バキっと画面が割れる音がした。
かりんはヒサエの隣にねて、包丁で自分の胸を刺した。 
痛かったけど最後の力で二度刺した。
ヒサエは老衰、かりんはヒサエが死んだことがすごくショックでの自殺だった。
ー完ー
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