秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
そう言いながら、裕は机の一番下の引き出しから缶の箱を取り出した。


テーブルの下でそれを開けてみると、レシートがギッシリと詰まっている。


「返してもらえるとは思えないけど、一応全部取っておいたんだ」


その量は缶からあふれ出すほどだ。


あたしと弘江は思わず目を見交わせていた。


家の外観から裕の家は一般的な収入なのだとわかる。


それがここまで奢らされたら、相当な痛手だろう。


「裕ってバイトしてたっけ?」


直美がそう訊ねたが、裕は左右に首を振った。


「バイトなんてしてる暇があったら勉強するよ。俺はあいつらよりも優秀だから、高収入な会社に入るんだ」


その言葉にあたしは頷いた。


剛たちの反発心から勉強へ力がそそがれていたようだ。
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