秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
拓郎がこんな状態なのに、先生に伝えないなんておかしい。


先生に伝えて病院へ連れて行ってもらうとかしないと……。


そう、それが正しい判断だった。


でも、この教室の中でそれを行う生徒は1人もいなかったのだ。


「呼ぶな」


そう言ったのは晃彦だった。


晃彦は教卓の上に上がり、鎖を外そうとしている。


剛は道具を探しに行っていた。


「バレたらどうなるかわからない」


晃彦が続けてそう言った。


きっとみんな頭の中で同じことを考えていたに違いない。


高宏がメールの内容を無視して先生に言いに行った時と、同じことが起こる予感がしていた。
< 170 / 326 >

この作品をシェア

pagetop