秘密暴露アプリ～恐怖の学級崩壊～
『悪いと思うならここから飛び降りろよ』


拓郎がそう言い、ナイフを良平へ向けて突き付ける。


そのセリフにあたしはこの場所が学校の屋上であることを確信した。


今行けば2人を助けることができるかもしれない。


けれど、もちろん1人で突撃する勇気なんて持っていなかった。


拓郎はナイフを持っているのだから、下手をすれば殺されてしまうだろう。


逡巡している間にも画面は切り替わってゆく。


良平がどうにか立ち上がり、拓郎から逃げようと走り出したのだ。


しかし恐怖で足がもつれてすぐに倒れ込んでしまう。


倒れ込んだ良平に追いついて拓郎が、右手を伸ばしてその胸倉をつかみ引き起こした。


『死ぬのが怖いか？』


そう聞く拓郎の声には抑揚がなく、余計に恐怖心を加速させた。
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