秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
「剛たちって、いつでもあんな感じなの?」


あたしは文子にそう聞いた。


文子は何度も頷いて「そうだよ。物事の本質とか、善悪とか、そういうのは全然興味がなくてただ自分のやりたいようにやってるの」と、教えてくれた。


文子の中に貯まっている鬱憤をここで全部吐きださせればいい。


あたしはそっとスカートのポケットに手を入れてスマホを操作した。


一回一回メモを取るのが面倒で、録音するアプリをダウンロードしているのだ。


急な録音をしたいときの為に起動しっぱなしにしているため、指先で録音ボタンをタップするだけでいい。


「文子は優しいから何が悪いのかちゃんと考えて行動するもんね」


「うん。そうしてるつもり」


「でもさ、このまま行けば文子はのけ者になって何かを暴露される可能性があるよね」


そう言うと文子は黙り込んでしまった。
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