秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
「しらばっくれるなよ!」


途端に声を荒げる文子。


「そんなに怒らないでよ。あたしたちの会話を偶然ゆかりが聞いてただけなんだから」


あたしはそう言って欠伸をかみ殺した。


「嘘ばっかり」


「本当だって、あたしを信用してよ。それより、放課後って剛に呼ばれてなかった?」


そう聞くと、文子は黙り込んでしまった。


最後の清掃時間中、文子は剛に呼び出されていたはずだった。


「別に、行く必要なんてないし」


「本当に? でも文子は今立場良くないよね? ここで逆らったらどうなるの?」
弘江がそう聞くと文子はグッと下唇を噛みしめた。


それでも動く気配はない。


早く帰りたいのに……。


そう思っていた次の瞬間だった。
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