秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
いい気分で昇降口へと向かうと、追い詰められた和弘がいた。


両腕で抱きしめるようにして文子の鞄を持っている。


文子は息を切らしながら「返して!」と、怒鳴っていた。


「和弘、いい加減にすれば?」


あたしは呆れてそう言った。


文子から聞いた秘密は全部あたしのスマホの中だ。


鞄なんか盗んでも大したものは見つからないだろう。


「ほら、あたし和弘の事書いちゃったよ?」


逃げる事に必死で気が付いていないようなので、あたしはスマホをかざすように持ってそう言った。


和弘の顔がサッと青ざめる。


「どうする? もっと書こうか?」


「や、やめてくれ!」
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