秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
足の踏み場のないほどゴミの袋が散乱している。


勉強机の上にはノートパソコンが置かれ、勉強している様子はうかがえない。


「どうしたの裕。こんなんじゃ大学へ行けないよ?」


弘江が驚いた声でそう言った。


「そんなの、もうどうでもいいだろ?」


裕はそう言って笑い声を上げた。


口からは黄ばんだ刃が覗き、その笑い方は少し異常だった。


あたしたちは裕から数歩後ずさりをしてその様子を見つめた。


「《秘密暴露サイト》って、どうしてこんなに面白いんだろうな」


笑いながらそう言う裕に、あたしたちは目を見交わせた。


「どういう意味?」


「人の秘密を書き込んでポイントゲット! なんて、誰が思いついたんだろう。人の本質をえぐるようなサイト。本当に面白いよね」


裕はそう言いながらノートパソコンの電源を入れた。
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