秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
「勇気……?」


「克也が戻ってこないから、後を追って来たんだ」


勇気はおずおずとそう言って近づいてくる。


普段は存在感もないくせに、こんな時にだけ邪魔するんだから。


そう思って歯を食いしばる。


「ちょっと、今忙しいの」


そう言って勇気の体を押し戻したのは直美だった。


あたしと弘江は驚いて直美を見つめる。


「2人ともどこかへ行っててくれない?」


直美にしては珍しく協力的だ。


そろそろサイトやポイントについて理解し始めたんだろうか。


「克也も勇気も、もう帰って」


直美がそう言い2人を睨む。


「こんなの無視できるわけないだろ!」


克也が叫ぶ。


そんなに大きな声を出したら家の中の2人に聞こえてしまう。
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