秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
いつも通り玄関まで母親に見送られてあたしは家を出た。


昨日の出来事なんて嘘に見えてしまうほど天気がいい。


行きかう車も、スーツ姿のサラリーマンも、一昨日までと何も変わらない。


もしかして、学校へ行ったら昨日の出来事なんて全部嘘だったんじゃないか?


そんな期待を抱いてしまいそうになる。


しかし、校門をくぐったところで昨日の出来事が現実だったのだと、突き付けられてしまった。


高宏が落ちた地点に入れないように、黄色いテープが貼られていたのだ。


コンクリートにはまだ赤いシミが残っている。


それを見ただけで朝食が胃からせり上がってきそうになって、あたしはすぐに目をそらせた。


「可奈おはよう!」


教室への廊下を歩き始めたところで後ろからそう声をかけられた。


振り向くと直美が走って来るのが見えた。
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