秘密暴露アプリ~恐怖の学級崩壊~
☆☆☆

教室の中はいつもよりも張りつめた空気が漂っていた。


1億円のメールが送られて来てからずっとだ。


この雰囲気が和らぐことはもうしばらくないだろう。


そんな中、あたしたち3人はごく普通に自分の机へと向かった。


5時間目の授業の準備を始める弘江。


「あ、教科書忘れちゃった」


机の中と鞄を確認して弘江は焦ったようにそう言った。


授業開始まであと1分を切っている。


今から隣のクラスに借りに行くような時間はない。


あたしはチラリと目だけ動かして信吾の様子を伺った。


信吾は和弘たちとアニメ雑誌を広げて楽しそうに会話をしている。


もう少し大きな声じゃないと聞こえないかもしれない。
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