エテレイン
私の隣に溝江が座る。



八木は、空いている森の席の隣には来ないで、こちらに背を向けてドラム椅子に座ったままでいる。



八木の表情は伺うことが出来ないけど、正面に座る森も隣にいる溝江も、とても真剣な表情をしている。



これから話されるであろう理由を聞きたくないと思った。
耳を塞ぎたいと、この部屋から出ていきたいと思った。




自分から、話せと言っといてそんな卑怯なことはできないけれど。





この話を聞たらきっと、私の気持ちは大きく変わり、将来に大きく影響することになる。



そんなことを思いながら、私は真っ直ぐ森を見つめた。
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