エテレイン
今までにないほどフツフツと底から怒りが湧いてくる。



『アンタの譜面、難しくしてやる!』



「上等だ。
やれんもんならやってみろよ。」



やる気も充分入った。
集中するために、ヘッドホンをキーボードに接続して装着する。



それからはひたすらに、キーボードを叩いては譜面に下ろしての繰り返し。
時間を忘れるほど、集中してモノクロの世界にのめり込んだ。



授業中に、少し歌詞のフレーズや曲の構成とかを考えていたからかスムーズに筆が進んだ。



サビに取り掛かろうとしていたところで不意に耳にかかっていた圧が消えた。



「そろそろ、完全。」



いつからそこにいたのか。
私のヘッドホンを手に横をに立っているのは森。



森の後ろは、半月の昇る夜空。



続いて、自分の左腕に注目する。
腕時計は、18時30分を指している。



曲を作り始めてから、2時間は悠に経っていた。
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