エテレイン
「うるせ、帰るぞ。」



『うん。』



それから、バンドの話とか作曲の話で盛り上がった。



別れ際2人で、空を見あげたらキラキラ星が輝いていた。



『半月って、綺麗だよね。』



ポツリそう呟けば、森は視線を空から私へ移した。



「満月じゃなくて、半月か?」



『うん、そう。
綺麗、っていうかなんて言うんだろう。
・・・半月は、私を映す鏡みたいな。』



この気持ちを言葉にするのは難しい。



森は、茶化すことなく真剣に私の言葉に耳を傾けている。



『さっき森が言ってたように私、怖いんだ。
将来が見えなくて、怖い。
失敗するんじゃないかって考えると足が竦んで動けなくなる。』



やりたいことがないわけじゃない。
ただ自分が考えていることに自信がなくて、立ち止まってる。



半月は次の形が分かってる。
私も、次の道がはっきり先まで見えてないと動かない。
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