No title
「えー!本当?
じゃあため口で話そうよ!
私のことは文月って呼んで?」
文月って言うんだ。
大人っぽい名前。
「うん!
私も弥生って呼んでね!」
話してみると文月は本当に今時の女の子
って感じだった。
元気で、明るくて、可愛くて。
私とは正反対だ。
昼休みが終わる前…
文月が唐突に
「そういえばさー、
香坂君も同い年なんだよー」
そういいだして、ね?って香坂さんの方を見る。
スマホを見てた香坂さんは
いきなり話しかけられて
弾かれたようにこっちを見て
「あ、、えっと、、はい。」
と、今にも消え入りそうな声で返事が返ってきた。
「あー、香坂くんはさー
人見知りなんだよね。
ほとんどしゃべんないしさー。」
不満そうに言う文月に、香坂さんも俯く。
…本人の前で言わないであげて…。