だから何ですか?Ⅱ【Memory】
クスリと笑って今の付き合いたての熱に存分に酔いしれて。
この酔いが覚めなければいい。
ずっとずっとこんな感じに、いつまでも亜豆が未知の女子で言動行動で振り回してくれたらいい。
「・・・来年も・・・再来年も一緒がいいな」
ぽつりと零れた本心には思わず自分で苦笑いしてしまった。
まさにオーナメントに多々書かれていたカップルの熱に浮かされた様な願望の一つ。
安いようでいて、その一瞬は本気で思った願望なんだなと自分が口にした事で身に染みて、確かに隣にいる今を再確認する様に亜豆を抱きしめた瞬間。
「忘れてました・・・」
「ん?」
「メリークリスマス」
「フハッ、今更。・・・でも、メリークリスマス」
腕の中でモゾッと動いて笑みを見せてきた姿には素直に絆され、愛おしむように額を合わせてから静かに唇を重ねた。