だから何ですか?Ⅱ【Memory】
『死ねばいい』
後先考えず、言葉の鋭さも凶器性も分からず、一方的理由で安易に向けられた言葉の数々。
憎しみ一色の言葉より性質悪くそこには嘲る目的も見え隠れして、姿も音も変え様々な形でそれを投げられたと思う。
そんな言葉を投げられる非は自分には一切なかったというのに。
初めて会ったはずの相手にもそんな風に罵られ蔑まれ、そうした日々を刻む内にいつしか面倒になった。
それが今の私に繋がっている。
死なないのはささやかな報復なんだろうか。
『死ね』と罵った人間への反発で『生きる』という選択肢に身を置いている。
それでも『生』から隠れて動くのはこうした静寂の世界で。
生きているのか死んでいるのか。
弱いのか強いのか。
自分が自分を意識する方法がすでに分からないのだ。
それに悲しいとも思わない自分は相当壊れていたのかもしれない。